我的杯子に詰め込まれた我的輩子の話です。

私が断られた日

父がすごい剣幕で新聞記者を追い返したことがあると書きましたけれど、私もすごい剣幕でインタビューを断られたことがあります。

大学の卒業論文でインタビューを重ねていた時のことです。お役所や学校や当事者等、皆熱心に話してくれたので、次もそうだろうと思ってしまったようです。こういう目的で話を聞きたい、ついてはアポを…と電話したら、「学生さんの卒論のために話すことはない」と言われました。「こっちは毎日真剣にやっているんだ。卒論書いて卒業してハイ終わり、という大学生と違うんだ」…そんなつもりじゃなかったのに、と思いましたが、すぐに思い直しました。私はいったいどんなつもりだったのだろう。自分のやっていることがわからなくなって、大学の教員に話しましたら、そういう人もいるよ、気にしなくてよい、みたいな返事が返ってきたように記憶しています。先生が落ち込む学生を慰めるだけならそれでよいと思うけれど、先生は私の質問に答えることはできなかったのだと思います。

インタビューを断られたことは、今でも私に影響を与えていて、人に話を聞く時、もう一歩踏み込んで聞けないことがあります。