我的杯子に詰め込まれた我的輩子の話です。

新米飼い主のひとりごと

猫が来てから3週間。先々週終わりから体調不良で、保護主さんの了解を得て最寄りの動物病院で血液検査とエコーをしてもらいました。お金は羽が生えたように飛んでいきましたが、診断がついてホッとしました。

対症療法しかありませんとのことでしたが、どうして毎日吐くのか、軟便が続くのか、おしっこが出ないのか、だんだんご飯を食べなくなったのか、新米飼い主はストレスでした。動物病院は、飼い主のストレスと不安を軽減する場所かもしれません。

でも、猫にとってはストレス倍増のはずです。寝ているところを連れ去られ、キャリーに放り込まれ、カバーを被せられて車らしきものに揺られ、着いた場所では悲しそうな犬の鳴き声が聞こえ、ようやくキャリーから出してもらったら知らないおじさんとおばさんがあちこち触った挙句、注射だ点滴だと針を刺される。エコーで変なにおいのゼリーだか何だかを塗られる。待合室に戻ったら、家よりも音量の大きいテレビの前で待たなきゃいけない。家に帰っても、トイレもご飯も要らないわ、という気分になるようです。鯛のお刺身のゆでたのは半切れ食べましたけど。

大変な思いをした猫には悪いけれど、飼い主は猫飼いネットワークを楽しんでいます。保護主さんは、飼い主が毎日のように送る「どうしましょう」メールに、「そのくらいで猫は死にません」と保証してくれますし、タクシーの運転手は自宅の犬と猫の話をしてくれましたし、動物病院で隣に座った男性は飼い猫3匹の色について詳しく語ってくれました。

弱い紐帯の強さ」っていう説があるのですが、いつもとは違うネットワークにアクセスしてみることで、新しい有益な情報やビジネスチャンスを得ることです。いつも同じ仲間とだけ付き合っていては得られないものが、それほど深い関係ではない人との会話から得られることがある。猫がいなければ仕事仲間とだけ付き合っていたのだろうけれど、猫がいることで知らない誰かと話す機会が増えました。こういうご縁が、いつか「弱い紐帯の強さ」になるのか、もう少し観察してみます。