我的杯子に詰め込まれた我的輩子の話です。

お昼寝中のあなたへ

9日目。少しずつ慣れてきたようで、短い時間ですが、ソファカバーの上に座ったり、ソファの下から出て来てゴロンゴロンと甘えることもあります。首回りのマッサージが好きですが、夢中になって私の指を噛むこともあり、猫同士の触れ合いの大切さを感じたりします。私が横になったら邪魔しない、部屋で仕事を始めたら諦めて寝る、というポリシーのようです。何だか申し訳なくて、旧いソファをガリガリしても叱らないことにしました。私が後悔するかもしれませんが、何でもダメって言うのは可哀そう。思い出があるようなないようなソファひとつ処分しても、くいっぱぐれるわけではない。

今朝がたはご機嫌よくソファ下から出て来て冒険に出かけ、まずは50センチ離れた窓のそばへ。まだ暗いベランダと隙間から忍び込む冷気で冒険延期を決めたのか、ソファ下にUターンしてきました。敷居の向こうに畳の部屋が目に入る。でも、今はソファの下から眺めるだけ。そのうち、真夜中の冒険をするでしょうか。

この人は、推定で生後半年。昨年11月半ばに保護されました。野良が集まる餌場に出入りしていた所を捕獲され、避妊手術を受けて里子に出されました。餌場に出入りしていた頃、既に一人だったそうです。お母さんや兄弟姉妹とどんなふうに別れてしまったのか。ふみふみをしているところは見たことがありません。お母さんのこと、覚えてますか。お誕生日、いつですか。

うちに来ても一人にしてしまう時間が多くて申し訳ないけれど、3度まで気温が下がる冬の夜を外で過ごすことはないから。ご飯と水にありつけない日はないから。犬や子供に追いかけられることはないから。今の仕事に就いて最初に買ったソファは、あなたにあげるから。