我的杯子に詰め込まれた我的輩子の話です。

贈り物

「私はどこを見ていたの」と思わせられるような出会いが好きです。

沖縄に、正確にいうと初めてではないのだけれど、ほぼ初めて、行くことになりました。仕事で、行ったらすぐ戻るような旅程ですけれど、自分がそれを設定したということが、ちょっと誇らしくてうれしい気持ちです。方向音痴が初めての土地で一人でバスを乗り継いで行こうという試みは、絵に描いたような珍道中になるでしょうけれど。

その土地とは、ずっと縁がなかったのです。最初は関心がなく、関心が出てきて行こうとすると何かと障りがあり、もう一生縁がないのではと思っていたら、ある日突然、天から牡丹餅がどさっと落ちてきたのです。

もっと早く出会っていれば、もっと早く足を向けていれば、と思うことがないわけではないけれど、今さら言っても仕方ありませんでしょう。遅すぎるタイミングは、神様の贈り物ではないかと思っています。そこがどれだけ素晴らしい場所か、その人がどれだけ素敵な人か、ちゃんと感じ取れる時期になってから、めぐり合わせてくれているのではないかと思います。私の場合は、たまたまそれが2年前であり、今なのです。出会ったがゆえのもどかしさも、きっと天からの贈り物だと思います。