我的杯子に詰め込まれた我的輩子の話です。

たまうどぅんの甕

暇があれば写真の整理。でも、一枚ごとに思い出があるから、なかなか進まないのです。いつどこで、だけではなくて、これを見ながらどんな話を聞いたとか、どんな人がそこに居たとか、あれは誰と会った日だったとか。

そういう周辺のことを気にかけるせいか、写真を撮った瞬間は、自分が撮っているものをよく見ていないことがあります。4月にたまうどぅんの資料館で撮ったこの写真もそうです。

洗骨という言葉が書かれていることに気づいたのは数か月後で、ネットで検索しましたら、「風音」という昔の映画と「洗骨」という名の未公開映画が出てきました。こういうデリケートそうなことをどんなふうに映画に取り込むのだろうと思って風音を観ましたら、風葬が間接的に描かれていました。

『動く墓』という本の中に、洗骨の話が出てきます。たぶん、私が洗骨という概念に最初に出会ったのはその本です。その時は、写真を見てもあまりイメージできませんでした。何度もその言葉を目にした後で、やっと、それがその地域の人々にとってはとてもデリケートな話題だろうと思いいたるようになりました。

『動く墓』を読んだ後に玉陵へ行って、そこでこの甕を見た時、ここに誰かが眠っていたのだと思ったら、背筋がゾクゾクしました。幾つもの甕が並べられている資料館も、玉陵と同じく死者のための空間だと思います。ああ、王様に生まれなくてよかった。死んだら棺の中まで公開されちゃう。

まだ封切られていない「洗骨」という映画は、奥田瑛二が主演のようです。監督はゴリさん/照屋年之だそうです。奥田瑛二が出るなら、観に行こうかな~と思っています。

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お蜜柑の季節

ご近所に住む中国出身の方から甘いお蜜柑を頂きました。

この方は、料理研究家でもないのに、美味しいものを見抜くのが上手いです。

手料理も上手で、たくさん作ったからと言っては餃子や大根餅など、ちょうどよい量で届けてくださいます。相手の負担にならない思い遣り、見習いたいものです。

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美味しいもの

中華圏に出入りしていると、いつも美味しいモノ食べてるでしょ、って言われます。

そうでもないです。その人たちが想像しているような中華料理と、私が現地で食べているもの、たぶんギャップがあります。でも、説明するのは面倒だし、自分も満足しているので、はいと答えています。

この間、那覇に行った時、公設市場で「沖縄でしか食べられないものが食べたい」とお店の人に言いましたら、じゃあこれにしたら、と勧められました。中味汁です。

ちょっとクセがありましたが、許容範囲。これとご飯とお漬物。気取らなくていいなあと思いました。

これ、台湾の四神湯に似ていますね。私が暑気あたりの時によく食べるやつです。

私、豚のホルモンはわりと好きです。子供の頃はとんちゃんが好きでした。

それにしても、那覇で食事に困ると公設市場の2階とあさひという食堂ばかり行っているような気がします。次は、別のお店にもチャレンジしてみたいですね。

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鼻先のニンジン

鼻先に人参をぶら下げるのが好きです。

今のニンジンは、仕事のような仕事でないような、いえ、まったく仕事ではない年明けの台湾行きです。

私は、12月と1月の台湾に行ったことがありません。仕事が忙しくなる時期の、たまたま空いた時間を利用してのプライベート旅行です。

10月の沖縄往きもそうですが、プライベートっていうのを企画するのがとても苦手だということに気づきました。

この10年くらい、旅行はほぼすべて仕事がらみの移動でしたから、行かねばならぬ、だったわけです。そういうのは要領が良くて、一日でプランを決めて手配します。でも、プライベートは、本当に行っていいかな、から始まって、どっちに行こうかでしばらく悩んで、何しよう、何時のフライトにしよう、といちいち迷います。仕事がらみの旅は現地でやるべきことも経費も決まっていますが、プライベート旅は白紙なので、予算重視か、時間重視か、現地での充実感重視か、一から自分で決めないといけない。でもできるだけ長く滞在したい。そんな旅に誰かと行こうとなると、現地集合でもない限り、調整不可能。面倒なので一人ニンジン旅が多くなります。

次回のニンジン旅は、最初に嘉義に入って、仕事にちょっと関係する場所を見に行きます。本当は見なくても別に響きませんけれど、航空券を買おうか迷っていた時は、これが口実でした。行かなくちゃって自分をけしかける口実…。でも、チケットを取ってしまったら、この季節はサトウキビ列車走ってるしね…とか、いろいろ行きたい場所が増えて困っています。

もう一つ、昨夏からずっと行ってみたかった場所があります。屏東の沙尾路にある記念館。

台北でお世話になった中国語の先生に、台湾人を理解したいならぜひ行きなさいと言われた場所です。観光ガイドブックには載っておらず、仕事にも全然関係ありません。番地もわかりません。知り合いもいません。何より、本当に行けるかどうかわかりません。バスはあるみたいですけれど、一日2本、早朝と夕方だけです。そのバス停が記念館とどのくらい離れているのかもわかりません。もしかしたら、また見送るかもしれない、そんな場所です。

最後に、珈琲豆を買いに台北へ。むせるほど濃厚な、フルーツのような味がする珈琲豆を買いに行きたいと思っています。

鼻先にぶら下がるニンジン、なかなか魅力的です。それまで頑張ります。

行ってみなければわからない

ジムに通い初めて1か月余り。

昨夜はシンプルヨガ。スタジオのプログラムではヨガだけ参加と決めている男性も数名いらっしゃいます。

先生曰く「20代の子はヨガを始めてもすぐ辞めます。まだ若くて健康だからヨガは必要ないのです。残るのは40代以降、みんな何か抱えているから長続きする」のだそうです。

私はふだん運動しない人でしたから、腰痛も肩凝りもその他諸々の不調も、運動不足のせいだろう、運動すればすべて解消と思っていました。

ジムに通い始めて、普段動かさない筋肉を使うこともありますが、ジムで過ごす時間を作るのに仕事時間を短縮することもありますし、座りっぱなしの姿勢から解放される時間が伸びたせいか、ほとんどの不調サインは消えました。

ただ、どのくらい汗をかくか、といえば、台湾を一人旅している時の方がよほど歩き、汗もかいています。台湾滞在中にどれほど食べても、帰国してから体重を測ると必ず減っています。それでも体を伸ばすと気持ち良いし、おばちゃんたちの話もそれなりに面白いので、せっせとジムに通っています。

ここに通ってくる常連さんたちが、あれこれ課題を抱えているのは意外でした。長く通っている方は元気溌剌かと思えば、そうでもないようです。そしてヨガの先生お二人も冷え性のようで。おかげでいつも、体が温かくなる動作から始まります。

薄着で元気にピョンピョンしているのは、エアロビのインストラクターです。他にも薄着のおばちゃんがいますが、私はホットフラッシュよ、と言われました。

ジムって運動が好きな人が行く場所ではなくて、私の問題をどうにかして、っていう人が来る場所みたいです。来て動いてすっきりしたら、十分目的は果たせていますよね。そんな風にして通い始めた中高年の女性の中には、家事を済ませた後、自分の時間を楽しむために来る方も少なくないようです。家族が知らないかもしれない可愛いヨガウェア、セクシーなヨガウェアを着ている方も多いです。

お互いのことはよく知らないし一緒に出掛けることもないけれど、毎日、毎週顔を合わせてバトミントンをする間柄って、お互いのことを知り合って成立している町内会とは別の形の、新しいコミュニティかもね、と思ったりしています。

生まれた時からあったもの

私はたぶん牛なのではないかと思うほど、物事をすぐには判断できなくて、何度も反芻しては思い返す癖があります。ちょっとしたことで反芻スイッチが入ります。

この間、テレビで「ラップと知事選 沖縄 若者たちの声」という番組を見ました。ある男の子が、基地は自分が生まれる前からそこにあったから、それがなくなったらって想像がつかない、というようなことをつぶやきました。

そうだよね。生まれる前からインフラのようにそこにあったんだものね。

彼の言葉で、中城城跡からの帰り道を思い出しました。ボランティアさんが途中のバス停まで車で送ってくれたのですが、そのバス停に向かう時、風にはためく米国旗が見えました。バス停の前にどーんと広い敷地を陣取っていた米軍関係施設の一部。国道に面して堂々と構える米軍施設は沖縄の一部。こんな施設が何ヵ所あるのでしょうね。

空から見たら、私が基地の横に立っているのが見えますか。ここにもし基地がなかったら、ここには何があったかな。そんなことをぼんやり考えながら、バスを待っていました。

そこにある基地がなくなったとしたら、そこには何が現れるのか、誰も想像できないのではないかと思ったりします。もしも、農地やお墓のあった土地が接収されていたとしたら、いま返してもらっても、農地にもできないし、お墓を作り直すわけにもいかないですよね。

経済学では、機会費用という言葉があるでしょう。自分の土地が基地の敷地に組み込まれたら、補償金はあるのかな。お金が入ったとしても、その土地をどんなふうに使うか選択する自由は奪われたままではないかしら。

沖縄の基地の話は地元の人の痛みを感じることができないという思いが壁になって、通り一遍の話以上に近づかないようにしていました。でもね、そこに立つと、あるいは、中城城跡から見下ろしてみると、ちょっと胸がざわざわしますね。本土の人は米兵の犯罪が起こる度に沖縄に注目する。でも、ここに住む人はいつも目にしていて、基地はそこにあるものとして生活する。なくなってほしいけど、無くなったらそこに何ができるの、と想像もつかない。

沖縄が抱えている問題は、基地だけじゃなくて、それ以上のもの、それ以外のもの。ラップは、基地だけじゃなくて、おきなわを見てよねって言っているように聞こえました。

若さの証明

別にしなくてもよい検査ではあったわけだけど、とんでもなく痛い思いをしたからには結果を聞きにいかねば意味がないので、行きました。

もちろん何も悪いところはなかったわけで、でも、他のこともいろいろわかるらしいのです。プラスマイナスの記号と星印と数字で。科学で。

結果を一言でいえば、自分で思っていたより若者だそうです。

え、えーっていう感じです。若さって、数字と記号で導き出されるらしいです。

でも、若いわよって言われて、どう反応したらいいわけ?

昨夜のズンバのへなちょこダンスはどう説明したらいいわけ?

野良猫だったら、路駐している車のタイヤで爪とぎするか、とりあえずの毛づくろい・・・そんな気分です。

とりあえず、しなやかに、頑張ります。徹夜も、します。

いえ、やっぱり徹夜は撤回。睡眠時間をちょっと削って頑張ります。

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