我的杯子に詰め込まれた我的輩子の話です。

旅の友あれこれ

少し前まで、旅慣れた方と毎年一緒に旅行する機会がありました。

お互い1人部屋志向なのでスーツケースに何が入っているかなど知りませんし、関心もありません。でも、夜遅く食事から戻って来ると、「私の部屋にお茶のみに来ない?」と誘ってくださるので、部屋のスリッパのまま、パタパタとお邪魔するのが慣例でした。

その方の部屋に入ると、枕元にきちんと畳まれたパジャマが置いてありました。そしてある時、「別になくても困らないんだけど、自分のドライヤーを持っていると落ち着くじゃない」と仰いました。

それがきっかけで、私も国内・海外両用の小型ドライヤーを、国内外を問わずお泊りの時は持ち歩くようになりました。最初は邪魔だったのに、今では旅支度でスーツケースに最初に入れるアイテムです。もう3年近く持ち歩き、とても便利です。

乾かすのは髪だけではありません。洗濯物、濡れた靴、何でもござれです。ホテルに備え付けのドライヤーは、固定されていたりすると特に、使いにくいですが、マイドライヤーはどの角度でも部屋のどこでも使えます。確かに、落ち着きます。

この方から教わった旅を楽しくするもう一つの工夫は、お気に入りの珈琲や紅茶を数種類、ティーバッグやドリップタイプで持参することだそうです。これをやる人は多いですね。私は、夜はミネラルウォーターが中心ですし、水が変わると珈琲も紅茶も味が変わるのでセルフカフェは真似しません。でも、セルフカフェを用意してきた同性の方から「お茶しない?」と言われたら二つ返事でお邪魔して、美味しいティータイムをご馳走になっています。

旅を心地よくする工夫、私は特にありませんが、強いていえば冷えピタと使い捨てマスクとのど飴と薄手のタオル、でしょうか。あ、ありました!日本の新聞を必ず1部は持って行きます。

ちょっとした疲れや風邪なら冷えピタをおでこに貼って寝たら、朝までに治ります。フライトの機内の空気の乾燥やホテルの冷暖房で喉を傷めそうな時は、体調に合わせてマスク着用。薄手のタオルは体を洗うため。のど飴は、喉が痛いからというよりも、お昼を食べ損ねた時に空腹を紛らわせる手段です。

新聞は、用途がいろいろ、一番のお役立ちアイテムです。一番ありがたく思ったのは、3月の金門島で隙間風の吹き荒ぶ伝統民宿に泊まり、寒いのに暖房がなかった時。台湾人の友人は高粱酒をあおってTシャツで寝たそうですが、日本人組は寒い、寒いと震えておりました。ありったけの服を着て、使い捨てカイロを握りしめ、新聞紙にくるまって薄っぺらの布団をかけて寝ました。

それから、冬の北京で熱々の焼き栗を買ってそのまま持って帰った時。新聞紙に何十にもくるんでビニール袋に密封し、スーツケースに入れました。湯気から出る水分は全部新聞紙が吸ってくれて、帰国してから美味しく食べられました。

でも、何かずれていますね。旅を心地よく、ではなくて、旅の便利グッズに終始しています。優雅で素敵な旅ではありませんが、旅先に行ったら、私はそこにいるだけで心地よいのです。セルフカフェは当面不要のようです。

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マイドライヤーは人吉の温泉旅館でもらった縮緬の巾着に入れて持ち歩いています。