我的杯子に詰め込まれた我的輩子の話です。

暑中お見舞い申し上げます

暑中見舞いを頂く季節になりました。皆さん、お元気ですか。お疲れになっていませんか。

今日は、ムアラフ(改心)と不即不離という映画を観ました。マレーシアに詳しい方の案内で、期間限定、vimeoで無料視聴しました。ムアラフは、数年前にタレンタイム(優しい歌)を観て以来、私には2本目のヤスミン・アフマド監督の作品です。多様な民族や宗教が混在する社会の残忍さと包容力と、良くも悪くものいい加減さに、言葉もない…ですので、内容も評論も書きません。ただ、ヤスミン監督の作品には、憎しみや怒りから自らを解き放つヒントがあるのかもしれません。悪いものは悪い、で終わらせない世界があるように思います。

不即不離はマラヤ共産党の祖父の足跡を辿るラウ・ケクフアット監督のドキュメンタリーです。監督は、台湾在住の中国系マレーシア人のようです。国際政治や国際関係史・アジア史の文献は、マラヤ共産党についてあまり説明しておらず、どんな人が共産党員であったのか想像するのは難しいように思います。この映画は、祖父と同様にマラヤ共産党で活動した人たちを訪ねて、中国との関りがどのように保持されたのか、どんな経緯で中国の華僑農場に行くことになったのかなど、一人一人の体験談から共産党員たちの姿を浮かび上がらせていきます。この人たちにとっては、そこが「中国」であることが大事だったのであって、国共内戦のどっちに味方するかなんて大して興味がなかったようです。植民地時代の不当な扱いに対する怒りは、第三者から見ると正義と受け取れますが、それを描いた作品はマレーシアでは上映できないようです。

映画終盤には、どっさり積み上げた冥錢や供え物を用意した遺族が戦闘や追撃で亡くなった党員の供養をしたり、昔の仲間が家族連れで集まって踊ったりお喋りしたりして同じ時間を過ごす同志会の様子が記録されていました。新型コロナの中、供養や同志会は続いているのか、気になります。

内容を書かないつもりが書き始めてしまいそうなので、ここでやめます。

朋友們、これが今年の暑中見舞いです。どうぞお元気でお過ごしください。

平安健康。