我的杯子に詰め込まれた我的輩子の話です。

今年の清明節

朝6時、この週末で満開も終わりだろうと思われる桜を見に行きました。小川の傍の細い道は人影もまばらでしたが、時々高齢の方とすれ違いました。

橋の上でお喋りしていたお爺さん二人に、一人、二人と合流して、5,6人集まったところで、ラジオ体操が始まりました。この橋の袂にあった広い畑は、いつの間にかマンションの敷地になっていました。

道の片側に枝を広げ花開いた桜の下で、犬の散歩、ご夫婦で散歩、一人で散歩、カメラで撮影、みんな思い思いに過ごしていました。私もその一人。

晴れて、この季節にしては寒くもなく、清々しい朝の空気。誰だって歩きたい。すれ違う時は左と右に距離をとるけれど、「おはようございます」の声が気持ちよい。

人にぶつかる心配もないので、眼鏡を外して裸眼で空と桜を眺めてみる。桜の花に顔を近づけてみる。遠くから聞こえていた歌声がだんだん近づいて、「おはようございます」と言った後からまた歌い出すおじさんの「涙そうそう」。

この3年、清明節の日は台湾に居ました。遠出したいのに運転手が見つからなかったり、列車の切符が取れなかったり、家族団欒を抜け出してつき合ってくれたり。今年は思い出を振り返っているけれど、新しい思い出を作る時が来るのを楽しみにしています。