我的杯子に詰め込まれた我的輩子の話です。

暑い国から

寒いので、こたつを買いました。

昔、実家にあったこたつよりも、小さくて軽いマレーシア製。

暑い国でこたつを生産しているんだ。ペラペラのビニールで包装された部品のひとつひとつ。作業したマレーシアの人は、日本人がこたつをどこで使うのか、知っているだろうか。二つ折りでビニール袋に入った説明書。説明書を袋詰めした人は、日本語が読めないかもしれない。

説明書には「この商品は日本国内専用です、海外ではご使用いただけません。This appliance is designed for domestic use in Japan only and cannot be used in any other country.」と書いてあります。ここ以外に英語の記述はありません。日本語が読める人のためにマレーシアで作られたこたつです。

一日遅れで敷物と布団が届きました。布団は、アメリカから輸入した綿を使った日本製で、少ししぶい桜柄プリントです。

こたつと布団を全部「日本製」で揃えると、とんでもない金額になります。とんでもない、と思うのは、こたつってそういうものだと思っているから。たかがこたつ。初めての一人暮らしでも無理なく買えたこたつ。ミカンの似合うこたつ。昔、祖父とトランプをしたこたつ。昔のこたつはヒーターが大きくて、ちょっと足を動かすとすぐに当たった。子供の「ちょっと」はドッタンバッタンだったかもしれない。今のこたつヒーターはとてもスマートです。

何だかいい感じだったので、今夜はこたつに入ってご飯を食べました。