我的杯子に詰め込まれた我的輩子の話です。

春節快到了

先日、上海でお世話になった先生の文章を読む機会があり、新年の挨拶にかこつけて3年ぶりに連絡をとってみました。

10年近く前、上海に半年滞在してみたいから誰か紹介して、と北京の友人にお願いした時、友人が会わせてくれたのがこの先生でした。

学者肌で、日本語はできなくて、あまり日本食も好きではなさそうで、お酒も煙草も嗜まれない方。なのに友人が面会場所に設定したのは日本の居酒屋で、先生はちょっと居心地が悪そうでした。会っていきなり「你的要求是什么?」と言われ、率直な物言いにびっくりしましたが、おかげで復旦に受け入れて頂くことになりました。

私が上海にいたのは2012年4月から9月。ちょうど、石原発言で尖閣の問題が先鋭化し、反日感情が高まった時期です。8月、9月になると、留学先で知り合った日本人は日本人街へ避難していきました。日本人の女子留学生が、真夏なのに厚手のパーカーをすっぽり被って顔を隠しながら歩いていました。いつもと同じ生活を続けた私に、いつもと変わらず接してくれたのは、権力に関心のない方々、そしてこの先生でした。

当時、私はこの先生と英語でやり取りしていました。中国語が下手なくせに、文法的に正しい格式ばった中国語を使おうとして、話すのも書くのも躊躇われたからです。今、私は短い手紙なら中国語の方が書きやすい。ブロークン中国語です。台湾に居たことを報告したら、台湾滞在経験がある先生は、台湾風の中国語で返信してくれました。

あれから6年半。助けてほしい時には声をあげてみなさいと、教えてくれたのは中国で、台湾でもそれは同じことでした。小さなことですが、日本では、人に迷惑をかけないようにしなさいと教えられます。ずっと迷惑をかけないように気をつけていると、人に甘えるのが下手になります。

2月5日は春節です。どうか皆さん、新しい年も健康で、良いお年をお迎えください。