我的杯子に詰め込まれた我的輩子の話です。

鼻先のニンジン

鼻先に人参をぶら下げるのが好きです。

今のニンジンは、仕事のような仕事でないような、いえ、まったく仕事ではない年明けの台湾行きです。

私は、12月と1月の台湾に行ったことがありません。仕事が忙しくなる時期の、たまたま空いた時間を利用してのプライベート旅行です。

10月の沖縄往きもそうですが、プライベートっていうのを企画するのがとても苦手だということに気づきました。

この10年くらい、旅行はほぼすべて仕事がらみの移動でしたから、行かねばならぬ、だったわけです。そういうのは要領が良くて、一日でプランを決めて手配します。でも、プライベートは、本当に行っていいかな、から始まって、どっちに行こうかでしばらく悩んで、何しよう、何時のフライトにしよう、といちいち迷います。仕事がらみの旅は現地でやるべきことも経費も決まっていますが、プライベート旅は白紙なので、予算重視か、時間重視か、現地での充実感重視か、一から自分で決めないといけない。でもできるだけ長く滞在したい。そんな旅に誰かと行こうとなると、現地集合でもない限り、調整不可能。面倒なので一人ニンジン旅が多くなります。

次回のニンジン旅は、最初に嘉義に入って、仕事にちょっと関係する場所を見に行きます。本当は見なくても別に響きませんけれど、航空券を買おうか迷っていた時は、これが口実でした。行かなくちゃって自分をけしかける口実…。でも、チケットを取ってしまったら、この季節はサトウキビ列車走ってるしね…とか、いろいろ行きたい場所が増えて困っています。

もう一つ、昨夏からずっと行ってみたかった場所があります。屏東の沙尾路にある記念館。

台北でお世話になった中国語の先生に、台湾人を理解したいならぜひ行きなさいと言われた場所です。観光ガイドブックには載っておらず、仕事にも全然関係ありません。番地もわかりません。知り合いもいません。何より、本当に行けるかどうかわかりません。バスはあるみたいですけれど、一日2本、早朝と夕方だけです。そのバス停が記念館とどのくらい離れているのかもわかりません。もしかしたら、また見送るかもしれない、そんな場所です。

最後に、珈琲豆を買いに台北へ。むせるほど濃厚な、フルーツのような味がする珈琲豆を買いに行きたいと思っています。

鼻先にぶら下がるニンジン、なかなか魅力的です。それまで頑張ります。