我的杯子に詰め込まれた我的輩子の話です。

迷い道

浮島通りに行こうと思っていたのです。Google頼りに。

いつの間にかスナックが並ぶ通りに出て、そこを抜けたら高台の希望が丘公園という所に出て、この際上から見たらわかるかと思って公園の上まで上がったら、ガジュマルしかなくて。いえ、夕方、おじさんたちがおしゃべりしたり、一人でくつろいでいたり。

地元の人らしいおじさんが、同世代らしき余所者っぽいおじさんに来し方を語っていました。「家にお金がなかったから、高校に行けなかった、大阪に出て働いて、結婚して、そのうちこっちに戻ってきて。。。」そんな話を沖縄の人の語り口で。余所者のおじさんは標準語で「ほう、ほう」って聞いていました。

肝心の浮島通りがどっちかなんて上から見てもわからず、降りて行くと年配のおじさんと若いおじさんがそれぞれ好きな所でコンビニ弁当を食べていました。その横に、茶トラの猫2匹がくつろいでいましたので、そっと写真を撮ろうとしたら、気づかれて逃げられました。草むらに逃げた子、頭隠して尻隠さず(笑)。ごめんね、と謝って公園を出ました。

角っこの炭火屋さんの煙に燻されながら右手に歩いて行くと、立派なホテルがあって、その向かいに柔らかな曲線を描く灰色の道の通りがあって、浮島通りはもうどうでもよくなって、あたりも暗くなりかけていましたけれど、灰色の道に入ってみることにしました。

やちむん通りと言うそうです。あれ?やちむんって焼き物のことですか?

焼き物屋さんがたくさん並んでいて、それもくっついて並んでいるのではなくて、お店とお店がちょうどよい距離、お互いの雰囲気を邪魔しないくらいのちょうどよい距離で並んでいました。

名前を聞いたことがあるお店がありましたので、ちょっと入って、ちょっとお話しながら、お茶と黒糖のお菓子を頂きました。そのお店の看板商品のカップで。

SNSで発信しておられる文章とピッタリの雰囲気のオーナーさんが、柔らかな声で解説してくださいました。

そのカップは買わなかったのですが、ずっとほしかったものを、世界で一点だけの手作りの作品を、ひとつ、頂きました。

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(立ち寄ったお店はもっと奥に入った所にあります)