我的杯子に詰め込まれた我的輩子の話です。

クヤマを探して

竹富島をレンタサイクルで回りました。

方向音痴に自転車を与えたら、そして行った先に誰もいなかったら、大変です。

でもまあ、1時間半の料金で戻って来たのだから優秀でしょうか。

朝、石垣島に着いて、行きたい場所は明日行くことにして、午後から川平に行くつもりだったのです。だって、バス会社の方に、大同というバス停に行きたいと言いましたら、タクシーだね、行く時にまたおいで、と言われまして、はよくわからないのだけれどその近くの何とかいう碑も見たいのよ、とは言いづらい雰囲気でした。

とりあえずホテルに荷物を預けに行って、その際に、ダメもとで(いえ、愚痴でした)聞いてみたのです。古い歴史を知っている人、この近くにおられないですか、と。フロントで聞くような質問ではなかったのに、うちの社員に地元出身者がいますから聞いておきます。それまで竹富島でサイクリングとかいかがですか、お天気も良いし、とのこと。うーん、まあいいか、と出かけてみて、今日はこんなはずじゃなかったのになあ、と思いつつ、思いつつ。離島ターミナルでおそばを頂き、そのまま竹富島に渡り、適当にレンタサイクル屋さんの車に乗り、適当に小さめの自転車を借りて、適当に目的地に向かって走り始めました。目的地は、クヤマのお墓です。船に乗っている間に思い出したからです。

安里屋ユンタを何度も聴くうちに、クヤマという女性に興味を持つようになりました。そのお墓は島の観光コースから外れていて、西桟橋に寄った後で左に入り、とても簡単に見つかりました。クヤマは、海が見える一本道の途中、バナナ畑の手前に眠っていました。その一本道を海に向かって歩くと、間もなく海岸に出て、そこから石垣島の丘が見えました。丘かな、山かな。てっぺんが平たい感じのが二つ。石垣島って大きい。

石垣島から竹富島まで5キロ余り、15分。金門からアモイまで3キロ弱、30分。政治の壁は私が思うより厚いのかもしれません。

1人で旅をするといろいろ考えてしまいます。今回は仕事が入っていないので、拘束されるものがない。すると、私はどこに行って良いかわからなくて、ガイドブックを持って来てもあまり頭に入らなくて、結局、ホテルのフロントさんやフェリーの切符売り場の人の話に左右されながら動いていく。そして、結局、すべてがうまくいきます。

川平っていう所も素敵なのでしょうが、公設市場とか、農林高校とか、街中のあれこれ、心惹かれるものがたくさん散らばっています。最後の一日、どうしましょう、どう過ごしましょう。風は強いけれど、今日も快晴です。